ポイント付与禁止はどう影響する？ふるさと納税の今とこれから

2025年2月19日

ふるさと納税は、節税対策としても、返礼品を通じてお得に日常生活を支える方法としても注目されている制度です。しかし、最近のニュースで「ポイント付与禁止」が話題になり、多くの人が今後のふるさと納税の行方に注目しています。

この記事では、ふるさと納税の最新事情と今後の動向を詳しく解説し、ポイント付与禁止がどのような影響を与えるのか、そして今後もふるさと納税を続けるべき理由についてお伝えします。

ふるさと納税の利用率はまだ低い

ふるさと納税は2008年にスタートした制度ですが、2024年時点での利用者数は約891万人とされています。日本の人口に対する利用率は約14.9パーセント。これは、6人から7人に1人が利用している計算になります。

「こんなにお得な制度なのに、なぜもっと利用しないのだろう？」と思う方も多いかもしれません。ふるさと納税は、寄付額の約30パーセント相当の返礼品がもらえるだけでなく、節税効果も期待できる素晴らしい仕組みです。それにもかかわらず利用率が低い理由としては、手続きの手間や「なんだか難しそう」といったイメージが根強いことが考えられます。

しかし、手続きを一度覚えれば、その後は毎年の恒例行事として取り組めるものです。会社員や自営業者問わず、節税と家計の助けになるため、まだふるさと納税を利用していない人はぜひチャレンジしてみる価値があります。

返礼品のトレンドが変化している

以前のふるさと納税では、ブランド牛や高級ステーキ、カニ、メロンなどの「贅沢品」が人気を集めていました。しかし、最近では物価高の影響で、返礼品のトレンドが大きく変わりつつあります。

今の人気商品は、大容量の鶏肉や豚肉、日常生活に必要なティッシュペーパーやトイレットペーパー、洗剤、さらには赤ちゃんのおむつなど、家計を助ける「実用的な品物」にシフトしているのです。

例えば、年収500万円の人の場合、ざっくり年間6万円分のふるさと納税が可能です。この場合、実質2000円の負担で、寄付額の約30パーセントに相当する返礼品が手に入るため、生活必需品をふるさと納税で補うだけで年間1万6000円相当の節約になります。さらに、これまでのふるさと納税では楽天ふるさと納税などの仲介サイトを通じてポイントが付与されるため、実際のところもっとお得になることがありました。

友人の中には、「ティッシュや洗剤、トイレットペーパーはすべてふるさと納税でまかなっている」という強者もいます。まさに「生活の知恵」としてふるさと納税が浸透してきた今、返礼品の選び方一つで大きな節約効果を得られるのです。

ポイント付与禁止がもたらす影響

2025年10月から、ふるさと納税の仲介サイトでのポイント付与が禁止されることが政府から発表されました。このニュースはふるさと納税を活用してきた多くの人にとって驚きの内容であり、「なぜそんなことをするのか？」「今後はふるさと納税の魅力が薄れるのではないか？」という疑問や不安が広がっています。しかし、この政策の背景には、ふるさと納税の本来の目的である「地方自治体への支援」をしっかりと果たすために、寄付金の使い方を見直そうとする政府の狙いがあります。

現在、多くの人がふるさと納税を行う際、楽天ふるさと納税やふるさとチョイス、さとふるといった仲介サイトを利用しています。これらのサイトでは、寄付を行うことで独自のポイントが付与される仕組みがあり、利用者は税金控除の恩恵を受けながら、さらにポイント分もお得になるというダブルメリットを享受していました。例えば、楽天ふるさと納税では楽天ポイントが付与されるため、ふるさと納税を通じて生活必需品や高額な返礼品を選びつつ、ポイントを貯めるという賢い消費行動が一般化していたのです。

しかし、このポイント付与制度がふるさと納税本来の目的から逸脱しつつあると政府は考えています。本来、ふるさと納税は地方自治体の財源確保と地域振興を目的としていますが、仲介サイトの登場により、その寄付金の一部がポイント還元やサイト運営費として流出するようになりました。具体的には、寄付金額の半分程度しか自治体に残らないケースも少なくありません。その理由は、返礼品の原価や配送費に加えて、仲介サイトに支払われる手数料や広告費が大きな割合を占めているからです。

こうした状況を受け、政府はポイント付与を禁止することで無駄な経費を抑え、寄付金をより多く自治体のために使えるようにしたいと考えています。政府の主張は、ふるさと納税の本質に立ち返り、寄付者から集まったお金が地域の振興や住民サービスの充実にしっかりと使われる仕組みを再構築しようというものです。

一方で、仲介サイト側はこの方針に強く反対しています。ポイント付与が禁止されれば、ふるさと納税を行う際の「お得感」が減り、利用者が離れてしまう恐れがあるからです。これまで仲介サイトは「ポイント」という付加価値を武器に多くの寄付を集めてきましたが、その最大のアピールポイントがなくなることで、利用者の減少が避けられないと懸念されています。実際に楽天ふるさと納税を運営する楽天グループでは、ポイント付与禁止に反対する署名活動を行うなど、巻き返しの動きも見られています。

利用者側の視点で考えても、この改正には賛否両論があります。これまでポイント分を含めて「実質負担額がさらに少ない」と感じていた人にとって、ポイント付与の廃止は確かに痛手です。一方で、ふるさと納税がもともと「節税と返礼品」というダブルのメリットを持つ制度であることを考えれば、ポイントがなくても十分にお得な仕組みであることは変わりません。寄付額の約30パーセント相当の返礼品がもらえ、実質負担額は2000円という基本的な制度が維持される限り、ふるさと納税の魅力は残り続けるのです。

ただし、ポイント付与がなくなることで、ふるさと納税を行う際に「どの仲介サイトを使うか」で迷う必要がなくなる可能性もあります。これまで多くの利用者は「最もポイント還元率が高いサイト」を探し、手間をかけて比較検討していました。しかし、ポイント付与が廃止されれば、そうしたサイト選びの手間が減り、純粋に返礼品の内容や自治体の取り組みを重視してふるさと納税を行うようになるでしょう。これは制度本来の目的に近づく変化とも言えます。

結論として、ポイント付与の禁止は一部の利用者にとって「お得感が減る」と感じられるかもしれませんが、制度そのものの価値を損なうものではありません。政府の方針通り、寄付金の使い道がより透明化され、地域振興にしっかりと還元される仕組みが強化されれば、ふるさと納税はより意義のある制度として今後も活用され続けるでしょう。そして、改正が施行される2025年10月までの間に、従来通りポイントを受け取りながらふるさと納税を行う「最後のチャンス」を最大限に活用することが、賢い選択と言えます。

ふるさと納税は今後もお得なのか？

結論から言えば、ポイント付与が禁止されても、ふるさと納税の「お得さ」は十分に残っています。なぜなら、ふるさと納税の根幹ともいえる「寄付額の約30パーセント相当の返礼品が受け取れる」という制度そのものは変わらないからです。この点は多くの人にとって重要なポイントであり、節税対策や家計改善の手段としてふるさと納税が今後も有効である理由です。

そもそも、ふるさと納税の基本的な仕組みは、「寄付を行うことでその自治体からお礼として返礼品を受け取れる一方、税金の控除が受けられる」というものです。例えば、年収500万円の人が年間6万円分のふるさと納税を行った場合、自己負担額は2000円で済みます。そして返礼品としてその30パーセントに相当する1万8000円分の品物がもらえるのです。仮にポイント付与がなくなったとしても、この返礼品の恩恵がある限り、ふるさと納税は他の節税対策と比べても群を抜いて「お得な制度」と言えます。

一方で、政府が2025年10月から仲介サイトでのポイント付与を禁止する背景には、自治体の「手取り額」を増やしたいという目的があります。これまで多くの人は楽天ふるさと納税やふるさとチョイスなどの仲介サイトを利用し、寄付を通じてポイントを受け取ってきました。ポイント分も含めると、実質の負担はさらに少なくなり、節税効果が一層高まる仕組みになっていたのです。しかし、これが「お得すぎる」という側面から、政府は見直しを行いました。

この改正によって一部の人は「お得感が減った」と感じるかもしれません。確かに、ポイント分の恩恵がなくなることで、これまでふるさと納税を最大限に活用していた人にとっては痛手となるでしょう。しかし、それでも本来の制度の旨味である「返礼品」と「税金控除」が残っているため、トータルで考えれば十分にメリットがあります。ふるさと納税を上手に利用すれば、家計を助けるだけでなく、生活必需品や食料品の購入費を抑えることも可能です。

さらに、今後の対策として「早めにふるさと納税を活用する」ことが非常に重要です。政府がポイント付与禁止を実施するのは2025年10月からです。つまり、それまでの期間、特に2025年9月まではこれまで通り仲介サイトを通じてポイントが付与される状態が続くため、従来の「お得さ」をそのまま享受することができます。このタイミングを逃さず、早めに寄付を行うことで、ポイント分のメリットも最大限に受け取れるでしょう。制度変更前のこの期間は、まさに「ラストチャンス」とも言える重要な時期です。

また、ふるさと納税は一度きりの節約方法ではなく、毎年継続的に効果を得られる仕組みです。ふるさと納税の寄付限度額は収入によって変わるため、年収が上がればその分寄付できる額も増え、返礼品や節税効果もさらに大きくなります。例えば、年収500万円で年間6万円の寄付が可能なら、年収が700万円になった場合には寄付限度額も増加し、より多くの返礼品を受け取れるのです。

さらに言えば、ふるさと納税は「税金の前払い」とも言える制度です。本来支払うべき税金の一部を「自分の好きな自治体」に寄付することで、返礼品をもらいながら税金控除の恩恵を受けられます。この点がふるさと納税最大の魅力であり、ポイント付与がなくなっても、その根本的なお得さは変わりません。

ふるさと納税は、会社員や自営業者が手軽に取り組める数少ない節税手段の一つです。特に会社員にとっては確定申告の手間も少なく、ワンストップ特例制度を利用すれば簡単に手続きが完了します。ポイント付与の廃止によって「もうふるさと納税をやらなくていいかな」と考えてしまうのは非常にもったいないことです。これまで以上にシンプルに、そして確実にお得さを実感できる制度として、ふるさと納税は今後も活用すべき存在であると言えるでしょう。

制度変更の流れを踏まえると、今はまさに「ふるさと納税の活用を見直すタイミング」です。2025年10月の改正までの期間を最大限に活用しつつ、その後も制度を上手に利用して家計の助けにしていきましょう。