デジタルアートやコレクションが注目を集める今、NFT(非代替性トークン)の取引が活発になっています。その中でも「OpenSea(オープンシー)」は世界最大のNFTマーケットプレイスとして多くの人に利用されています。
「NFTに興味はあるけど、OpenSeaって何?」「始め方がわからない」という方も多いのではないでしょうか。この記事では、OpenSeaの基本から始め方、使い方まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
OpenSea(オープンシー)とは?世界最大のNFTマーケットプレイス
OpenSeaは2017年に設立された、世界最大級のNFT取引プラットフォームです。アートワーク、音楽、ゲームアイテム、ドメイン名など、さまざまなデジタル資産をNFTとして取引できる場所として知られています。
OpenSeaの基本情報
OpenSeaはDevin Finzer氏とAlex Atallah氏によって創設され、現在も多くの投資家から支持を受けています。2021年には企業価値が130億ドル(約1兆7,000億円)を超え、NFT市場の成長とともに急速に拡大しました。
取扱NFT数は2,000万点以上、月間アクティブユーザーは数十万人にのぼります。主な取引対象としては、デジタルアート作品、プロフィール画像(PFP)コレクション、ゲーム内アイテム、仮想土地、音楽、動画など多岐にわたります。
「Bored Ape Yacht Club」や「CryptoPunks」といった有名コレクションも、OpenSeaで取引されています。
OpenSeaでできること
OpenSeaでは主に以下のことができます。
まず、NFTの検索と閲覧が可能です。カテゴリー別、人気順、新着順など様々な方法でNFTを探すことができます。アーティスト名やコレクション名での検索も簡単にできるので、お気に入りの作品を見つけやすいのが特徴です。
次に、NFTの購入やオファー、入札ができます。固定価格で販売されているNFTをそのまま購入したり、オークション形式の場合は入札したりできます。また、まだ販売されていないNFTに対して「オファー」を出すことも可能です。
さらに、自分のNFTを出品したり、新たにNFTを作成したりすることもできます。クリエイターとして活動したい方にとっても使いやすいプラットフォームとなっています。
OpenSea(オープンシー)の4つの特徴
OpenSeaが多くのユーザーに選ばれている理由には、いくつかの特徴があります。ここでは主な4つの特徴を詳しく見ていきましょう。
世界最大級の取引規模
OpenSeaの最大の特徴は、その取引規模の大きさです。2021年のピーク時には月間取引高が30億ドル(約4,000億円)を超えることもありました。2023年以降は市場全体が落ち着いてきているものの、依然としてNFT市場では最大のシェアを誇っています。
取引量が多いということは、売り手にとっては「買い手が見つかりやすい」、買い手にとっては「選択肢が豊富」というメリットがあります。特に人気コレクションの場合、OpenSeaで取引されることが多いため、価格の透明性も高くなっています。
また、アート作品だけでなく、ゲームアイテム、音楽、ドメイン名、仮想土地など、多様なカテゴリーのNFTが取引されているのも魅力です。自分の好みや目的に合ったNFTを見つけやすい環境が整っています。
複数のブロックチェーンに対応
OpenSeaは複数のブロックチェーンネットワークに対応しており、これも大きな特徴です。主な対応ブロックチェーンは以下の通りです。
ブロックチェーン | 特徴 | 手数料の目安 |
---|---|---|
イーサリアム | 最も普及しているが手数料高め | 数千円〜数万円 |
ポリゴン | 低手数料で高速処理 | ほぼ無料 |
ソラナ | 高速処理と低手数料 | 数十円程度 |
アービトラム | イーサリアムのL2ソリューション | 数百円程度 |
オプティミズム | イーサリアムのL2ソリューション | 数百円程度 |
複数のブロックチェーンに対応しているため、ユーザーは自分の予算や目的に合わせて最適なネットワークを選ぶことができます。例えば、高額なNFTを扱う場合はセキュリティの高いイーサリアムを、小額の取引や初心者の場合は手数料の安いポリゴンやソラナを選ぶといった使い分けが可能です。
出品料の負担が少ない
OpenSeaでは、NFTを出品する際の初期費用が比較的抑えられています。イーサリアムネットワークを使用する場合、初回のみウォレット認証のためのガス代(取引手数料)が必要ですが、その後の出品自体は基本的に無料です。
NFTが売れた際には、OpenSeaに2.5%の手数料が発生します。これは業界標準的な水準で、他のNFTマーケットプレイスと比較しても妥当な金額です。
また、プライベートセールという機能を使えば、特定の相手にのみNFTを販売することも可能です。これにより、SNSなどで見つけた購入希望者と直接取引ができ、オークションの競争を避けることができます。
誰でも簡単にNFT作成・販売が可能
OpenSeaの大きな魅力の一つは、専門的な知識がなくても誰でも簡単にNFTを作成・販売できる点です。多くのNFTマーケットプレイスでは、クリエイターとして登録するために審査が必要ですが、OpenSeaではそのような審査はありません。
画像、音楽、動画などのデジタルファイルをアップロードし、必要な情報を入力するだけでNFTを作成できます。プログラミングの知識は不要で、直感的な操作で完了します。
これにより、プロのアーティストだけでなく、趣味でクリエイティブ活動をしている方や、これからNFTの世界に挑戦したい初心者の方も気軽に参加できます。自分の作品を世界中の人に見てもらえるチャンスがあるのは、クリエイターにとって大きな魅力でしょう。
OpenSea(オープンシー)の始め方
OpenSeaを利用するための準備は少し手間がかかりますが、一度設定してしまえば簡単に利用できます。ここでは、OpenSeaを始めるための5つのステップを詳しく解説します。
STEP1:仮想通貨取引所で口座開設
まず最初に、日本国内の仮想通貨取引所で口座を開設する必要があります。OpenSeaでNFTを購入するには仮想通貨が必要になるためです。
口座開設に必要なものは、本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)、スマートフォン、メールアドレスです。主要な国内取引所としては、コインチェック、GMOコイン、ビットフライヤーなどがあります。
口座開設の手続きは各取引所によって異なりますが、基本的にはウェブサイトやアプリから申し込み、必要情報を入力し、本人確認書類をアップロードするという流れです。審査には数日から1週間程度かかることがあります。
STEP2:イーサリアム(ETH)を購入
口座開設が完了したら、次はイーサリアム(ETH)を購入します。OpenSeaでの主要な決済手段はイーサリアムであるため、まずはこれを用意しておく必要があります。
取引所にログインし、日本円を入金した後、イーサリアムを購入します。購入方法は各取引所によって異なりますが、多くの場合「販売所」または「取引所」という機能から購入できます。初心者の方は操作が簡単な「販売所」での購入がおすすめです。
購入する金額は、自分が購入予定のNFTの価格や、取引手数料(ガス代)を考慮して決めましょう。初めての方は少額から始めるのが安全です。
STEP3:仮想通貨ウォレットを用意
次に、仮想通貨ウォレットを用意します。ウォレットとは、仮想通貨やNFTを保管するためのデジタル財布のようなものです。OpenSeaで最も一般的に使われているウォレットは「MetaMask(メタマスク)」です。
MetaMaskはブラウザの拡張機能として、またはスマートフォンアプリとしてインストールできます。インストール後は、新しいウォレットを作成するか、既存のウォレットを復元するかを選びます。
新規作成の場合、「シードフレーズ」と呼ばれる12個の単語が表示されます。これはウォレットの復元に必要な非常に重要な情報なので、安全な場所に必ず保管しておきましょう。オンライン上に保存するのは危険です。
STEP4:ウォレットに仮想通貨を送金
ウォレットの準備ができたら、取引所からウォレットにイーサリアムを送金します。送金先のアドレスはMetaMaskの画面に表示されている長い英数字の文字列です。
取引所の「出金」または「送金」機能を使い、MetaMaskのアドレスを指定して送金します。この際、アドレスは必ずコピー&ペーストで入力し、手入力によるミスを防ぎましょう。
送金には手数料がかかりますが、金額は取引所によって異なります。また、送金が完了するまでには数分から数十分かかることがあります。焦らずに待ちましょう。
手数料を抑えるコツとしては、ネットワークが混雑していない時間帯(日本時間の早朝や深夜)に送金を行うことです。また、一度に必要な分だけ送金するのではなく、ある程度まとめて送金すると、送金回数が減って総手数料を抑えられます。
STEP5:OpenSeaにウォレットを接続
最後に、OpenSeaのウェブサイト(opensea.io)にアクセスし、ウォレットを接続します。サイト右上の「ウォレットを接続」または「Connect Wallet」ボタンをクリックし、MetaMaskを選択します。
MetaMaskのポップアップが表示されるので、接続を許可します。これでOpenSeaとウォレットが連携され、NFTの閲覧や購入、出品などができるようになります。
アカウント設定では、プロフィール画像やユーザー名、自己紹介文などを設定できます。これらは必須ではありませんが、設定しておくとNFTコミュニティでの活動がスムーズになります。
ウォレット接続時の注意点として、必ず公式サイト(opensea.io)にアクセスしていることを確認しましょう。フィッシングサイトに騙されてウォレットを接続すると、資産を失う危険があります。
OpenSea(オープンシー)の使い方
OpenSeaの基本的な使い方を理解しておくと、NFT取引がスムーズに行えます。ここでは、NFTの検索・閲覧方法、購入方法、出品方法について詳しく解説します。
NFTの検索と閲覧方法
OpenSeaでNFTを探す方法はいくつかあります。まず、トップページの検索バーを使って、特定のNFT名やコレクション名、クリエイター名などを直接検索できます。
また、「Explore」(探索)メニューからカテゴリー別に閲覧することも可能です。アート、コレクティブル、ドメイン名、音楽、写真、スポーツなど、様々なカテゴリーが用意されています。
効率的な検索テクニックとしては、フィルター機能を活用することがおすすめです。価格帯、ブロックチェーンの種類、販売状況などでフィルタリングできます。例えば「0.1 ETH以下の、現在販売中のアート作品」といった絞り込みが可能です。
コレクションの見分け方としては、「検証済みマーク」(青いチェックマーク)が付いているかどうかをチェックするとよいでしょう。このマークがあるコレクションは、OpenSeaによって公式に認められたものであり、信頼性が高いと言えます。
NFTの購入方法
OpenSeaでNFTを購入する方法は主に3つあります。
まず、固定価格での購入です。「Buy now」(今すぐ購入)ボタンが表示されているNFTは、表示価格で直接購入できます。購入ボタンをクリックし、取引内容を確認した後、MetaMaskで取引を承認します。この際、NFTの価格に加えてガス代(取引手数料)が必要になります。
次に、オークションでの入札です。「Place bid」(入札する)ボタンが表示されているNFTは、オークション形式で販売されています。希望金額を入力して入札し、オークション終了時に最高額の入札者がNFTを獲得できます。オークションには「英国式」と「オランダ式」の2種類があり、それぞれルールが異なるので注意が必要です。
最後に、オファー(価格提案)の活用法です。現在販売されていないNFTに対しても、「Make offer」(オファーする)ボタンから購入希望価格を提案できます。所有者がそのオファーを受け入れれば、取引が成立します。人気のNFTを狙う場合や、特定のNFTをどうしても手に入れたい場合に有効な方法です。
NFTの出品方法
自分のNFTを出品する方法も簡単です。まず、プロフィールページから「Create」(作成)ボタンをクリックし、新しいNFTを作成するか、既に所有しているNFTを選択します。
出品設定のポイントとしては、適切な価格設定が重要です。同じコレクションの他のNFTや、類似したNFTの価格を参考にするとよいでしょう。また、説明文には作品の特徴や背景などを詳しく記載すると、購入者の興味を引きやすくなります。
販売形式は「Fixed Price」(固定価格)、「Timed Auction」(期間限定オークション)、「Dutch Auction」(ダッチオークション)から選べます。初心者の方は操作がシンプルな固定価格がおすすめです。
オークション形式を選ぶ場合は、開始価格、終了時間、最低入札額などを設定します。ダッチオークションは開始価格から徐々に価格が下がっていく形式で、早く売りたい場合に効果的です。
出品が完了すると、NFTはマーケットプレイスに公開され、世界中のユーザーが閲覧・購入できるようになります。
OpenSea(オープンシー)を日本語で使う方法
OpenSeaは基本的に英語のインターフェースですが、ブラウザの翻訳機能を使えば日本語で利用することができます。特にGoogle Chromeの翻訳機能が便利です。
Google Chromeの翻訳機能を活用
PCでOpenSeaを日本語化するには、Google Chromeブラウザでopensea.ioにアクセスした際に表示される翻訳バーで「日本語に翻訳」を選択します。翻訳バーが表示されない場合は、ページ上で右クリックし、「日本語に翻訳」を選択することもできます。
スマホでの日本語化は、Chromeアプリを使用している場合、アドレスバー右側の「…」メニューから「翻訳」を選択します。iPhoneのSafariでは、「AA」アイコンをタップし、「翻訳」を選択します。
一度翻訳設定をしておくと、次回からは自動的に日本語で表示されるようになり便利です。
翻訳時の注意点
ブラウザの翻訳機能を使う際の注意点としては、レイアウトが崩れることがあることです。特に長いテキストや特殊な形式のコンテンツでは、翻訳後にデザインが乱れることがあります。
このような場合は、ページを再読み込みして元の英語表示に戻し、必要な部分だけを個別に翻訳するとよいでしょう。また、重要な取引を行う際は、誤訳による誤解を避けるため、英語と日本語の両方を確認することをおすすめします。
翻訳精度を上げるコツとしては、Google Chromeの最新版を使用することが挙げられます。また、翻訳の品質は常に向上しているため、定期的にブラウザをアップデートすることで、より正確な翻訳を得られるようになります。
OpenSea(オープンシー)利用時の注意点
OpenSeaを安全に利用するためには、いくつかの注意点を理解しておくことが重要です。ここでは、海外サービスのリスク、セキュリティ対策、手数料の仕組みについて解説します。
海外サービスのリスク
OpenSeaは海外のサービスであるため、日本の法律や規制との関係で注意が必要な点があります。例えば、日本では仮想通貨に関する税金の申告が必要です。NFTの売買で利益が出た場合は、確定申告の対象となる可能性があります。
また、カスタマーサポートは基本的に英語対応のみで、日本語でのサポートはありません。トラブルが発生した際には、自分で英語でのコミュニケーションが必要になることがあります。
トラブル時の対処法としては、OpenSeaの公式ヘルプセンターやコミュニティフォーラムを活用することがおすすめです。また、日本のNFTコミュニティやSNSグループなどで情報交換することも有効です。
セキュリティ対策
NFT市場では、フィッシング詐欺や不正アクセスなどのセキュリティリスクが存在します。安全に取引するためには、以下のポイントに注意しましょう。
まず、フィッシング詐欺への警戒が重要です。OpenSeaを装った偽サイトや、SNSでの詐欺的なメッセージには十分注意してください。公式サイトのURLは必ず「opensea.io」であることを確認し、ブックマークしておくと安全です。
また、ウォレットのセキュリティ対策も欠かせません。MetaMaskなどのウォレットのシードフレーズ(復元フレーズ)は絶対に他人に教えないでください。オンライン上に保存するのも危険です。可能であれば、大量の資産を保管する場合はハードウェアウォレット(Ledgerなど)の使用を検討しましょう。
安全な取引のためのチェックポイントとしては、NFTの価格が適正かどうか、コレクションが本物かどうかを必ず確認することが大切です。あまりにも安すぎる価格で販売されているNFTは、詐欺の可能性があります。
手数料の仕組み
OpenSeaでの取引には、いくつかの手数料が発生します。これらを理解しておくことで、予想外の出費を避けることができます。
販売手数料は、NFTが売れた際にOpenSeaに支払う手数料で、基本的に売却価格の2.5%です。これはNFTマーケットプレイスとしては標準的な水準です。
また、イーサリアムネットワークを使用する場合、ガス代と呼ばれる取引手数料が発生します。ガス代はネットワークの混雑状況によって大きく変動し、数百円から数万円まで幅があります。
手数料の種類 | 金額の目安 | 支払いタイミング |
---|---|---|
OpenSea手数料 | 売却価格の2.5% | NFT売却時 |
ガス代(イーサリアム) | 数百円〜数万円 | 取引承認時 |
ロイヤリティ | 0〜10%程度 | NFT売却時 |
ガス代の変動と対策としては、ネットワークが混雑していない時間帯(日本時間の早朝や深夜)に取引を行うことが効果的です。また、ポリゴンやソラナなど、ガス代の安いブロックチェーンを利用するのもおすすめです。
なお、NFTによっては「ロイヤリティ」と呼ばれる、クリエイターへの還元金が設定されていることがあります。これは二次流通時に自動的に原作者に支払われる仕組みで、通常は0〜10%程度です。
まとめ:OpenSea(オープンシー)でNFTデビュー
OpenSeaは世界最大のNFTマーケットプレイスとして、初心者からプロまで幅広いユーザーに利用されています。複数のブロックチェーンに対応し、出品料の負担が少なく、誰でも簡単にNFT作成・販売ができる点が大きな魅力です。
始め方は少し手間がかかりますが、仮想通貨取引所での口座開設、イーサリアムの購入、ウォレットの準備、OpenSeaへの接続という流れで利用を開始できます。
NFTの世界は日々進化しており、新しい可能性が広がっています。この記事を参考に、ぜひOpenSeaでNFTデビューを果たしてみてください。
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